と その前に、そもそも
　　はり・きゅう・マッサージ とは…

　4000年来続く 中国より渡ってきた伝統療法で、
　経絡図（ツボ表）を基本として、経穴（ツボ）を
　はり刺激・熱刺激・指圧刺激により
　気血の流れ（血行）を良くし病気を治す治療法です。

【経絡人形】
360余りの経穴（ツボ）があります。

縫い針や注射針のことを皆さんイメージされるようですが、
治療用のはりは直径0.14mmと髪の毛よりも細く、刺入感覚は全く異なります。
はり治療の特有の感覚を『ひびき』と呼びます。
これは実体験によりお確かめください。

先に述べた通り、気血の流れ（血行）を良くして、自己治癒力を利用して
病気を治す治療法です。 副作用や中毒性がないのが特徴です。
伝統療法は様々な迷信のようなものがついきまといがちですが、このご質問もそのひとつでしょう。

安全性について気になってのご質問ですが、はり師の資格を取るためには 国家試験の他に、３年間厚労省指定の養成所で訓練をうけ 勉強をしなければなりません。その６割を西洋医学の勉強に割いております。ですから解剖学につきましても熟知しております。また 禁忌（やってはいけないこと）も厳しく教わっており、安全を一番に教育されます。
ちなみにはりの長さは１寸３分（４cm）あり、いっぱいまで入れば４cmです。
しかし 体の部位で厚い所も薄い所もあり、ツボの深さも当然変わります。
『ひびき』がでた所がツボであり、それよりも深くとも浅くともありません。
平均すると1.5cmくらいでしょうか。
また、はり先は松葉形（流線形）をしており、硬い組織に対して逃げるようにできております。骨はもちろん動脈・神経の類もそうです。
ですから大事な組織を傷めることはありません。

手技療法は百家争鳴（ひゃっかそうめい）で様々な療法があり
複雑でわかりにくいですが、大事なことは３点あります。
１つ．東洋医学であること。
２つ．国家資格であること。
３つ．経穴（ツボ）療法であること。
この３点が大きく異なります。

『はりは怖いけど早く治したい』というお気持ちの患者さんがよくする質問です。
どちらも効果があるので治療法としてあるわけですから一概には言えませんが、症状により はりをした方が良いというケースもありますし、マッサージのみでも充分というケースもあります。

治療概念については先に述べましたが さらにご説明いたします。
人には”急所”というものがあります。武術の場合、この”急所”でもって相手をたおしますので目に見えて明らかです。
一方 医術の場合も、この”急所”を治療に応用します。
この”急所”を”ツボ”と呼びます。”ツボ”を心得るにはたいへんな修行が必要です。ですから一般の方には理解し難いですが、その効果は体験していただけるとわかると思います。